あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

カフェにいて思うこと

 

最近カフェでアルバイトを始めました。

大学生になる前からずっと「カフェのおねえさん」になりたくて(笑)という理由もありますが、一応もう少しまともな理由をつけるとすれば「接客を学んでみたかったから」。接客するときってどんなことに気を付けているのか、どんな風に接したらお客さんは心地よくその空間で時間を過ごせるのかということを実践的に学んでみたくて、このアルバイトを始めてみました。

アルバイトを始めてから2か月ほどたち、毎回シフトに入るたびにいろんな発見があります。今回はそんなちょっとしたカフェの日常とそれについて私が考えたことを書いてみようかと思います。

 

私が働いているのは大手チェーン店のカフェ。店舗の敷地も広く、「長時間居座れる場所」として社会的に認知されているため、平日休日問わず幅広い層のお客さんがいろいろな目的で訪れます。あさイチに来て新聞を読む人、コーヒーを1杯頼んでPCやノートに向かう人、最近は少なくなってしまった喫煙所を求めてやってくる人、女子会をしに来る人、ただ単に食事をしに来る人、お仕事の打ち合わせに利用する人…

 

 

人は勉強している

年齢層は高校生くらいからちょっと若めの社会人たち。勉強している内容も様々で、見たことあるような公式や文法が載っているテキストを広げている人から、何やら難しい試験の参考書を開いている人まで。

私が驚くのは、「社会人って勉強するんだ!!」ということ。

今までいろんな社会人に会ってきて、「いいなぁ、学生は勉強する時間いっぱいあるじゃん」みたいなこと言われることも多々ありました。でもそれを聞きながら私は「でも社会人ってそんなに勉強することなさそうだよな」とか思ってて。(社会人舐めるな!と思った方すみません!)でもそんなことないんですよね。社会人で勉強している人ってこんなにたくさんいるんだ!って素直に思いました。

確かに勉強って学校卒業して「はいさようなら」というものでもないし、人生100年時代と言われる現代において、どんどん人生の中でのやることも社会で求められることも変わっていくのだから、それに合わせて勉強していくことは避けられないのだと感じます。

 

そんな姿を見ていると、「私、こんなところでアルバイトしていていいのかな。せっかく自由に勉強する時間(つまりは机に向かう時間)があるのだから、今のうちにたくさん勉強しておいた方がいいのかな」なんて不安に感じたりもしますが、そんな焦燥感が火種となって始める勉強はおそらく本当の勉強ではないと思います。その知識の必要性を感じた時、初めて勉強を始めるべきだというのが私の考えなので、現状私にとっての勉強はテキストを広げてやるものではなく、いろんなところでいろんなものを見聞きして考えることです。

 

人は大いに話し込んでいる

随分と長い時間話し込んでいる人、結構多くいます。あんまりよくないんだろうけど、たまに聞こえてくる会話が熱気のこもった内容だったりすると、つい耳に入ってきてしまいます。

先日も男性3人ほどがつくば市の活性化について熱い議論を交わしていたり、男性二人がこの先どんな仕事をしていきたいかをぽつぽつと話し合っていたり。

いろんな人いろんな物事に対していろんな感情を持っている。私がいろんな物事についていろんなことを考えているのと同じように、人が存在している数分だけ、その人固有の思考がある。日頃目の前にいる人が本気で何に興味を持っているのか、将来どんなことをしていきたいのかなんて、聞く機会はない。けれども人は、話したい相手に話したいタイミングでそうした話を始める。それがたまたま私の目の前で起こっている。

たまたま人が一生懸命自分の思考を話しているところに立ち会ってしまった、なんとも言えない感情に出会います。耳に入ってきていいのか、全く知らない人のこんなに繊細な部分が、という若干の罪悪感にさいなまれたり。

 

人は団欒を楽しんでいる

「きっとこの人たち、おしゃべりするためにこのお店に入ってきたんだろうな」

そんなお客さんもたくさんいます。

一目でわかる。だって私もそれやるもん。自分が大好きな相手と。

ケーキとドリンクを頼んで、2時間3時間会話が絶えない人たち。ずっとみんなにこにこしていて、誰かしらが常にしゃべっていて、その人の声にみんなが耳を傾けていて。

会話の中身なんてきっと後から思い返したらなんてことない。もしかしたら思い返すことすらできないくらい中身のない話かもしれない。でもこの時彼女らの間で重要なのは決して会話の中身ではないのだ。きっと今この瞬間、自分が心地よいと思える相手と時間を過ごすことが、この人たちにとって最高に楽しい時間の使い方なんだ。

 

 

 

 

 

ここで働いていると、なんだか人って悪くないなと思います。

うん、人って悪くない。

こんな表現しかできないのがもどかしいけど、そう思うのです。

 

生きていて、私自身も大変なこといっぱいあるし、多分私以上に大変な人は数えきれないほどいる。でも人生ってそんなに暗いものじゃない。希望を持てることってたくさんあるんじゃないかって思える。

 

人が頑張ろうとか、自分の熱意を話そうとか、友達を楽しい時間を過ごそうとか、そう思ったときに来る場所がここなのか。このお店なのか。

そんないろんな方向の前向きなベクトルを持つ人を、まるっと受け入れることのできるこのカフェは偉大な場所なのかもしれない。