あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

インターンとアルバイト

私はこの2つの違いが判りません。

そして、この2つの違いを明確に理解し、言語化できる人もそう多くはないのではないかと思っています。

どれも共通して言えるのは、何かしら社会に「価値」を生み出して、その対価として「お金」をもらっているという点。でもなんとなくその後に付随するイメージというものがあって、私たちはそういったものにどこか惑わされている気がするのです。

 

インターンの面接

この夏、生まれて初めてインターンなるものに申し込みしました。書類選考を通り、1次面接はオンラインでの面接となりました。

その面接で真っ先に聞かれたことは、「あなたが大学生活で一番力を入れている活動は何ですか?」というものでした。私は少しの躊躇の末「農業です」と答えました。その迷いというのは、その時期私は将来の進路を考え直したばかりで、国際協力の道ではなく農業の道に進みたいと思い直していたため、実際に今まで活動してきた内容としては国際協力の方が話せることは多かったのではないかとも思ったのですが、農業に対する気持ちを話した方が自分の中で納得して話せると思い、後者のテーマについて面接官に向かってお話しました。

自分は食に対してどんな想いを持っていて、それを周りの人に話しているうちに農業の世界に出会って、「農業」そのものも大好きになって、それに関してもいろいろな考えを持っていて、、、そんなことを自分が持てる話術を使い倒してお話しました。

 

余談ですが、私はこうした面接では(基本的にどんな時もなんですが)、本当の自分を話すことを心掛けています。面接でそんなきれいごと言ってたらどこも受からないと思う方ももしかしたらいらっしゃるかもしれませんが、私はそれならそれでいいのです。むしろ面接の時点で私とその会社が合わないと感じたら、落としてほしいくらい。偽って受かって、あとで自分と合わない場所で苦しい思いするくらいなら、最初から一緒にならない方がいいと思うんです。

 

話を戻します。私が大いに日頃農業に対して思っていることだったり、自分がどんなに力を入れているかだったりをお話した後、その面接官に言われたひと言はこれでした。

 

「それは、アルバイトなんですよね?」

 

この瞬間、すぅっと心が冷めていったことは今でも忘れられません。私の今の話を聞いて、この人が一番気になったのはそこだったんだ。私の貴重な農業体験がアルバイトではなくインターンだったら、異なる反応が返ってきたのか。

 

この面接に私は落ちました。でも落ちて正解だと思ったんです。私のこの農業の「アルバイト」の経験を評価してくれない会社なら、別にいいやって。選考に落ちたのはちょっと悔しかった気持ちはあるけれど、でもそれ以上に何かを偏重していて何かを卑下している社風があの会話から垣間見えた気がして、ここで働くこともないよなと冷静に思っている私がいました。

 

両者に対するイメージ

その日からずっと自分の中でもやもやしていて。

この2つってそんなに大きな違いはないと思うんですよね。団体に属して、その団体の利益となること、もしくは社会に利益になることをして、報酬としてお金と経験をもらう。この構造はこの2つに共通したものだと思うんです。しかしながらこの2つの事柄に対する世の中の見方は大きく違っていることを、この時と強く感じました。

インターンやってる」という話をすれば、「すごいね、行動力あるね」と言われ、「この前アルバイト5連勤してきた」という話をすれば「お疲れ様」「バ畜だね」と言われる。一方は称賛され、もう一方はほんの少しだけ憐れまれているニュアンスを感じる。もちろん私だってこの2つの活動に対するイメージは違っていて、でもそのイメージって本当にその活動内容と合致しているのか、その人にとっての充実感とか成長に見合ったものなのかと問われれば、それは違うんじゃないかと思う。もっと想像の余地はあるんじゃないかと。

 

アルバイトって本当に「時間をお金に換える行為」なのか

なんとなく話の抽象度合いが増してきてしまって、自分でも何を伝えたいのかわからなくなってきてしまったので、具体例を挙げて説明してみることとします。

例えば、私はこんなお話をよく耳にします。

「大学生はサークルとアルバイトばかりしてないで、海外に行ってみたりインターンとかをしてみるべきだ」

でも、私は思うんです。アルバイト先で本当に貴重な経験をしている人ってたくさんいるんじゃないかって。実際私だって、はじめはただのアルバイトのつもりで始めた農業が、今では大好きなものになって、将来その道で生きていきたいとすら思えるくらいになっている。こんな体験してる人って私の他にもたくさんいると思うんです。また私の友人は小学校の先生になることが将来の夢で、そのために人に教える勉強をするために今は塾講師のアルバイトをしています。このようにアルバイトが直接自分の未来につながることなんていくらでもあるんじゃないかと思うんです。

アルバイトは時間をお金に変換する行為と決めつけないでほしいなと。

 

もしくは逆も言えると思うんです。インターンだって自分の身にならないインターンは山ほどあるんじゃないかと思っていて。インターンという名のただの「会社の駒」として食われてしまうような類のインターンもきっとあるんじゃないかと思うんです。

 

結論として私は言いたいのは、結局は自分次第だということ。月並みな結論ではありますが。自分がその活動に対して、どんな意識を持ってやるか、どんな目標を掲げてやるかなんじゃないかと。逆にそれがない人のところには有益なものは生まれないし、それがある人ならどんなアルバイトだって最高の成長するチャンスになると思うんです。

だから私は、後者の人間になりたい。インターンであれ、バイトであれ、ちゃんと自分の身になるようなことをして、この場所を選んでよかったと思えるようにしたい。