あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

文化人類学

大学2年生ともなると、そろそろ自分の専攻を決めて、なんとなく卒論のテーマとかを決めて、担当の先生と相談して、、、という段階に来てしまうみたいで、そんな制度をきっかけに自分がどんな卒業研究をしていきたいのかなんてことを、最近ぼんやりと考えています。

 

 

文化人類学との出会い

高校2年生の秋(早いものでそれからもう3年が経っている…)、筑波の学園祭に来て、この広々としたキャンパスを気に入り筑波大学を目指そうと思い立ちました。その中でどんな分野に進みたいかなと大学のパンフレットをペラペラめくりながら考えたときに、真っ先に目に飛び込んできたのが、現在私が在籍している比較文化学類(以下、比文)でした。その日からずっと比文に来ようと思いながら受験勉強に励んでいました。

高校3年生の秋、推薦入試で受験しようとしていたため志望理由書を書くことになりました。そこで私は何で比文に惹かれているのかな?比文でどんな学問ををしたいのかな?と考えたときに出会ったのが文化人類学でした。比文のパンフレットの文化人類学コースの説明を読んだとき、文化人類学のことを何も知らない私でしたが、多分私がやりたい分野ってこういうことだ!と直感的に思いました。

ちなみにここまでずっと「文化人類学ってなんぞや?」と思いながらも読んでくれている人にちょこっとだけ説明すると、文化人類学とは世界中のさまざまな地域の文化や民族を研究対象として、「人間とは何か」を問いただす学問です。自分とは異なる生活文化を持つ地域に一定期間調査に入り、現地の人たちの生活に加わりつつ(この行為を「参与観察」といいます)その地域の特徴的な点、自分が持っている文化とは異なる点を記述し、民族誌というものにまとめます。これが文化人類学の概要です。

自分とは全く違う文化を持つ土地に入り込んで、一緒に生活して、研究を進めていく。そんな学問分野があるのかと少し驚きつつも、きっと異文化を理解するってこういうことなんだろうなと、高校生の時に私は思ったのです。それから文化人類学こそがみんなが平和にそして幸せに暮らしていける社会を作るために必要な学問なんじゃないか?と考えました。そして私はこの学問を大学4年間をかけてやりたいと強く思ったのです。

 

大学で実際に講義を受けて

大学に入学してからは、文化人類学以外にもいろんな講義を受けました。文学、哲学、地理学、宗教学、開発学など。どれも話は面白く、知的好奇心は大いに満たされましたが、やっぱり私は文化人類学のお話が一番好きでした。(おそらく話をしてくださる教授が好きだったのかもしれませんが、まぁそれはそれでいいでしょう)これまで文化人類学がどのような変遷をたどって今日まで発展してきたのか、これからどんな方向に向かっていくのか、どんな研究事例があるのか、いろんなお話を聞くたびに、自分の知らない世界がまだまだたくさんあることを思い知らされ、ますますもっといろんな文化に触れてみたいと思うようになりました。

文化人類学への想いは変わらない一方で、フィールドについては考えを改めるようになりました。入学当初は海外にフィールドを持って研究したいと思っていましたが、大学生になって日本各地いろいろな地域を旅行して、自分の知らない日本をたくさん発見して、もっとこの国のことを知りたい、思うようにもなり、必ずしもフィールドは海外じゃなくてもいいと思うようにもなりました。

 

 モヤモヤが多い学問

しかしながら大学で文化人類学に関する講義を受ければ受けるほど、もやもやは大きくなっていきます。特にこの秋学期から受けていいる講義では、文化人類学の在り方について考えさせられることが多いです。

その講義は、まず講義の前に文化人類学者が書いた論文を読んできて、その論文に対する自分の考えをある程度固めて臨み、講義の時間は5~7人くらいのグループになり意見交換をします。そうした意見交換の場で、私と同じように文化人類学に興味を持っている学生の考え方を知ることが出来て、改めて自分はこの学問のことをどう考えていてるのかを見つめ直す良い機会となりました。

 

個人的なものとしては

そもそも私はどんなテーマで卒業研究をしたいのか?

どこを自分のフィールドとして取り扱いたいのか?

学問全体に対する問いとしては

フィールドに入るということは、少なからずその土地に何らかの影響を与えてしまうことであり、それは文化人類学者として正しい姿なのか?

学術的に記述するためにはなるべく主観を排してその土地のことを記述するべきなのだけれども、完全に主観を排することは出来ないから、その折り合いはどうつけるのか?

 

まだまだ知識不足で、この学問においてはわからないことだらけ。考えれば考えるほど問いは浮かんできます。

 

それでも私は文化人類学を選ぶ

もやもやはどうやったって払拭できないけど、それでも私はこの学問を研究したい。それはやっぱりきっと、文化人類学は人々の「しあわせ」につながると思うから。せっかく大学生という自由に自分の興味があることを出来る期間があるのなら、最後にちゃんと学問研究をしようと思っています。

 

ここから2年間、きっと先人たちもずっと感じてきたもやもやを私も抱えながら研究するんだろうな。卒業研究なんてまだまだ先とか思っていたら、きっとあっという間にそんな時期になっているんだろうな。