あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

「boox、1日に3つもイベントやるってよ」の覚書

先日、booxという場所を持ってから初めてのイベント開催をしました。

booxスタッフの中でもいろんなプロジェクト単位で動いていて、私はその中のイベント担当。私を含めた合計4人でこの日のためにいろいろ準備をしてきました。

 

第1部 はじめてのABD

皆で分担して一つの本を読むという新しい読書法であるABD。一人一人が1章ずつ読んで、自分が読んだ部分の概要を他の人にも説明して、そのあとに対話でさらに本の内容を深めていくという短時間でおいしいとこどりな本の読み方です。今回メンバーの一人が「これ、めちゃめちゃやってみたいわ」という猛烈アピールの末、ABDをやってみることに決定しました。読んだ本は平野啓一郎さんの『私とは何か』。私は一度読んだことがあったものなので、外側からサポートするという立場で参加しました。

説明の後、まずはみんなでモクモク読書タイム。10人の大人が一度にこんなに狭い空間で本を読んでる風景ってなかなか見れないよなぁなんてことを考えながら、参加者の皆さんが読了するのを待っていました。この後に内容をまとめた発表があるので、読むほうもみんな必死なのです。会場内を何とも言えない緊張感が漂っていました。

そこから発表の準備。A4の印刷用紙にみんなが一斉に書き始める。随所に個性が見られます。字がとってもきれいな人、図を多用する人、クイズ形式で論を進める人、私は発表の時間を今か今かと心待ちにしながら待っていました。

そして発表。たくさんの学びあり、疑問あり、議論あり。一冊の本の内容をこんなにも大人数で考えるということは、なかなかない経験でした。全体的に3つのイベントの中で一番「真面目」な空気が書なれたこの回。これは題材を変えたら、また違った空気作りが出来るのかもしれませんね。

 

第2部 優しい気持ちになれる読書会

イベントの内容はタイトルのままです。優しい気持ちになるまでのプロセスが人によってこんなにも違うのかという驚きがありました。時間術を読んで心の余裕ができたから優しい気持ちになれた人、国学の第一人者・本居宣長の勉学に対する励ましの言葉を読んで優しい気持ちになれた人、普段は突飛な物語を書く人が急にあたたかな日常を描くギャップに優しい気持ちになれた人、心の支えとなる本は人それぞれだよなぁというのを改めて思い出させてくれる回でした。

個人的にこういう場でよく紹介する本は瀧羽麻子さんの『うさぎぱん』。パンが好きで、家庭教師と仲良しな主人公の女子高生の淡い恋の物語です。最近心が疲れてきているなと思ったとき、これを手に取るととてもあたたかな気持ちになれるので、この回でもこの本を紹介しました。

人それぞれ大事にしている本ってありますよね。自分の大事なものがわかっている状態って結構重要だと思うんです。日常の諸々に潰れないで生きていくためには。それは、そこに立ち返れば日の光をたっぷり吸い込んだあったかい布団が待っているということを知っているということだから。

 

第3部 小学生の課題図書で読書感想文を書いてみた

このイベントもないようなタイトルのままです(笑)。この回は大盛り上がりでしたね!(もちろん他の回もですが)運営側の私たち自身が一番楽しみにしていたのが第3部でした。課題図書選びからワクワク、本が決まったらウズウズ、当日会場で早く読めないかなぁとソワソワ。そんなこんなで迎えたその日最後のイベント。そんな私たちが選んだ図書は「スタンリーと小さな火星人」。今年の小学校2年生の課題図書なんだとか。

最初にみんなでモクモク読書タイム。予算の関係で6人に対して2冊しか用意できなかったので1冊を3人で囲んでページをめくる。大の大人が絵本に群がって真剣に読んでいる様子はなんとも滑稽でした。15分きっかりで読み切り、そこから15分きっかりで書ききる。司会者がとっても時間に厳しかったので(笑)。

400字で感想文を書くって意外と難しいんですよね。私は時間がないから最初っから清書で書きましたが、構成をちゃんと練ってから書く人とかもいて性格出るなぁという感じ。時間をきっかり区切られるとなんだか高校生時代までのテストを思い出します。手汗でペンを持つ手が滑る滑る。

そしてみんなの作品発表。ここで文才とやらが顔を出しますよね。皆さん文章書くのがお上手!いろんな感想文を比べて読んでみて、名前を伏せているのにbooxスタッフ内だと、ある程度執筆者の見当がついちゃったりもして。

他の会よりも企画内容がおちゃらけた感じで、参加者が打ち解けるのも早かったので、結局イベント終了後もだらだらとボードゲームをしたりおしゃべりしたりと楽しい時間を過ごすことが出来ました。

 

1つのイベントを終えて

booxにメンバー入りしてからおよそ半年。何の役にも立ててないなぁと後ろめたかった初期に比べて、今は少しずつ充実感が増してきています。これまでbooxはクラウドファンディングとかもやってきたけど、せいぜい認知度はメンバーの友人どまりだったのが、「twitter見てきました!」「peatix見てきました!」という声も聞くことができ、本当に少しずつではあるけれど、イベントを通してこれまでつながりがなかった人にも認知されるようになってきたのかなとちょっとにやにやしてます。

これからも継続的にイベントを開催して、ゆくゆくはイベントを打たないでも人が自然と集まるような場所にして行けたらなとか、ちょっぴり夢が膨らんでいる今日この頃です。