あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

本という物質が好き

趣味は読書?

自己紹介でとっても困る、アレ。

「趣味なんですか?」

 

そう聞かれたとき、私はかろうじて答えます。

「読書、かなぁ」

 

自分の趣味が読書であると語れるほど、私は自分の読書熱に対する自信はありません。

その時期の心のゆとりによって読める量は大きく変わるし、そもそも全く読まない日が何か月も続くこともざらにある。たくさん読む時期もあるけど、おそらく自分よりも本を読む人は世の中五万といるだろうし、この程度の読書熱で「趣味」と言っていいのだろうかと感じてしまうからです。

 

別に趣味って人と比べるものではないし、自信とかそんなの考える必要もないとは思いますが、なんとなくいつも「趣味は読書」ということに抵抗を持っている自分がいます。

 

「本」が好き

そうはいっても、やっぱり私はきっと本が好き。

 

ついつい本屋さんを見ると足を踏み入れてしまう。

カバンの中に最低1冊は本が入っていないとなんか嫌。

「本」に関わるイベントとかに行ってみたくなる。

自分の本棚にお気に入りの本を置いておきたい。

 

「読書が好き」というより「本が好き」なんです。

 もちろん本を読むことも好きだけど、本という物質そのものが好きなんだと思います。

 

本がある空間に自分の身を置いている幸福感。

いつでも本を取り出せるという安心感。

「本が好き」とにこにこ語る人と出会えるわくわく感。

大好きな本が部屋に帰ったらそこにあるという充足感。

 

本が自分の近くにあるというだけで嬉しい気持ちになるし、自分の生活が豊かになった感じがします。

それほどまでに私の生活と本という物質は密に関わっているのです。

 

 

私にとって「本」とは

小学生くらいの頃から、「本が好きというくらいなら、歴史小説とか文豪が描いた作品とかも嗜んでるべきだよな」という謎の切迫感があって、幾度となくそうした硬い文章を読むことに挑戦してきました。また高校生・大学生になってからは「ちょっと世の中のこと勉強したいな」と思い立ち、ビジネス書とかHOWTO本とかにも手を出したりしてみました。

 

でも結果はほとんど挫折。

 

そうした本たちを読んでも、何も楽しくないのです。

「この作品を読んでいる」という優越感が少し残るくらい。

本を読むにあたってそんな優越感なんて全く必要なくて、心から自分が楽しめるものを読めばいいということに、最近気づくことができました。自分が好きなことやるときくらい、背伸びすることなく、身の丈にあったものを選ぼうと思えるようになりました。

 

そんな経緯を踏まえ、私は本に対して何を求めているのかということを考えてみました。

私が好きな本の系統としては、

・おいしい食べ物が出てくるもの

(食堂とかを舞台した物語でもいいし、レシピ本とかでもいい)

・ほっこりするようなかわいい恋愛の物語

 

つまり軽く読めて心があたたまるようなものばかり。

自分の本棚をのぞいてみても、ほんわかした小説かレシピ本かくすっと笑えるエッセイか、くらいしか置いていない。

 

私にとって本とは「癒しを求める場」なんだと思っています。

そこから何かしらの知識を得ようとか、問題の解決法を見つけようとか、そのためのツールではない。(そうした使い方を否定しているわけではなくて、あくまで私の中での本の存在意義についての考えです。)

その文章の中に繰り広げられる優しい世界を感じたり、載っている料理を見て今度作ってみようかなと考えたり、気分が晴れないときにちょっと笑ってみようかなと思ったり。

そんな現実世界では得られない「癒し」を求めて私はことばの世界に入りこむ。本の中に日常の小さなしあわせを探しに行く。

 

もう一つ、「私にとって本とは」で言えることがあって、それは「相手の頭の中に触れる」ということ。

この時の「相手」というのは決して本の作者ではありません。私にその本を勧めてくれた人のことを指します。

人からオススメされた本には、その本の内容とオススメする人の考え方とか世界観というのは共通する部分がある、と私は考えています。おススメされた本を読むことでその人がどんなことを大事にしているのか、どんな世界観に共感しているのかというのがなんとなく伝わってきます。その人が日頃話していることとその本のメッセージがぴったり重なった時、「あの主張の背景には、こうした考えがあったのか」と腑に落ちる感覚がたまらないのです。

 

本がある空間が好き

本が好きという想いとともにもう一つ言えるのは、「本がある空間が好き」ということ。

 

本が集まっている場所を見つけると、つい足を止めて入ります。本屋さんだろうと図書館だろうと古本屋さんだろうと。偶然見つけてはいるだけではなく、「今日はこの本屋さんにいこう!」と意気込んで家を出ることもしばしば。

なんでこんなにも本がある空間を渇望しているのか考えてみたところ、一番に本の背表紙が並んでいる風景が好きなんだということに気づきました。

それぞれの色、それぞれの形、それぞれの大きさがあって、本が持つメッセージを一番的確に表しているタイトルが書かれた本の背表紙。短い人生の間に読了できる本の数なんてたかが知れているけど、背表紙を見て本の雰囲気を味わうなら、より手軽に、より多くの数の本に触れることができる。なにより眺めているだけでこの中にどんな世界が詰まっているんだろうとわくわくできる。

 

私が中でも好きな本屋さんというのがいくつかあって、その本屋さんのどこに惹かれたって、一番は本のセレクト。自分の心を射抜くセレクトをしているのです。背表紙を見ただけで大体わかるものなのです。きっとここのオーナーさんとお話したらめちゃめちゃ盛り上がるんだろうなと行くたびに感じます。(実際に話したことがないのがとても残念)

 

さらに言えば、旅先での本屋さんとの出会い、そしてそこにあった本との出会いをとても大切にしています。そういう出会いこそ逃してはならない。(以前箱根で逃してしまったことがあって、いまでもとても後悔しています)

 

語りだすと止まらない

本についてまだまだ書きたいことがたくさんあったのですが、書ききれないしまとめきれない。ということで、今回はこの辺にしておきます。(抑えたつもりだったけど、書きたい欲求が溢れ出して全くまとめきれていない…)

 

ここまで読んでくださった本好きの方、ぜひコメントください。本について思う存分お話しましょう。