あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

タイにて

 

人生で初めて海外で一人になるという経験をしました。

わくわく8割、不安が2割くらいで臨んだ初海外一人旅。

そんな私の自由な4日間を綴ります。

 

 一人旅にて体調不良

カンボジアを離れ、タイの空港にて初めての一人海外が始まりました。

その途端、下痢と嘔吐に襲われる…。

普段全く体調不良にならないので、どうしたらいいのかもわからず空港でおろおろ。

しかし空港にいても何も解決しないと思い、決死の思いで空港を飛び出しました。

 

優しさは万国共通

話は飛びますがタイ3日目。近所のビーチでは物足りなくなり、離島に行きたいなぁと考えながらいろいろなツアー情報を物色していました。

しかしながら体調は悪化。行くかどうかさんざん悩みましたが、結局船に乗り込むことを決意。腹を括りました。

 

結果、船内にて嘔吐(同乗していた皆さん本当にごめんなさい!!)

本当にたくさんの人に迷惑をかけてしまったけど、その分だけたくさんの形の「やさしさ」を受け取ることができました。

 

薬をくれる人。

笑顔で声をかけてくれる人。

ラムネみたいものをくれる人。

その日の夜のことまで心配してくれる人。

ティッシュやビニール袋を渡してくれる人。

謎のいいにおいがする瓶を差し出してくれる人。

お昼の時間にごはん食べていないのを心配してくれる人。

「目線を上でキープすればいいのよ」と教えてくれる人。

 

一人旅で心細い中、本当にみんな優しくて、きっと私はこれを感じるために一人になったんだろうし、体調が悪くなったんだろうし、そんな中船に乗り込んだんだと思いました。

引きこもらずにちゃんと外に出てきてよかったと、心からそう感じました。

 

15時間の格闘

タイ4日目。この日は15時間のトランジットだったため、当初の予定では空港から市街地に繰り出し、一日バンコクを満喫してから、夜に空港に戻ってきて帰国するという計画でした。

 

しかしこの日が滞在期間の中で一番体調が悪く(数百m歩くと腹痛になり1,2時間横にならないと回復できないほど)、さらに残りのお金がなんと20バーツ(日本円にして約60円)。空港から出ない、何もしないことが一番の得策だろうという結論に至りました。

 

回遊魚的な性格を持つ私からすると、何もしないという事はとても大変なことでした。海外に来て色々見たいもの食べたいものがあるのにも関わらず、何もできないというのは想像以上の苦痛でした。これはこれできっとすぐに笑い話になって、この苦痛を懐かしむ日が来るんだろうなと考えたり。

 

タイ料理がもはや恐怖

しかし全く空港から出ないというのもなんとなくやっぱり嫌だったので、空港の近所を歩いてみることにしました。空港から電車の駅までが徒歩圏内であることが判明したので、電車に乗れるかどうかは別としてとりあえず向かってみることにしました。

その途中にも屋台、屋台、屋台…

3歩歩けば屋台にあたるという感じでした。普段ならそういった屋台の様子を観察して楽しくなったり、これ食べてみたいなとぼんやりと考えたりして歩いていますが、この日はどうしてもだめでした。写真を見るたびに吐き気がこみあげてくるのです。

 

4日間で食べたタイ料理たちは全部おいしかったはずなのに、そのおいしい記憶をかき消すほど体調の悪さは偉大でした。しばらくタイ料理を見ても「おいしそう!」と思えないかもしれないと思うと、なんだか寂しい気分になります。

 

念願のレンタルバイク

 バイクを乗り回す

セブ島で唯一やり残したことがありました。

それは、バイクに乗ること。

 

本当はすごくバイクに乗りたかったのですが、私の運転があまりに下手すぎて、同行したメンバーやバイク貸しのおっちゃんからOKが出ず、渋々諦めました。

 

でもタイでは、ひとり。

自分のやりたいことを抑える人は誰一人として存在しません。

これはバイクに乗るチャンスだ。

そう思ったときにはもうレンタルバイク屋さんの方へ足を向けていました。

 

白い砂浜と青い海を見ながら、少し生暖かい風を切る。

自転車では絶対に味わえないスピード。

小回りが利くし行動範囲もぐっと広がる、この自由さ。

1日乗っただけでバイクの虜になりました。

日本に帰ってもバイク乗りたいと思う反面、この景色だからこそこれだけ楽しめたのかなとも思います。

 

おばちゃんとバトル

バイクを返す直前、案の定転びました。

大したけがもなく、バイクが壊れることもなく、その事実に安心してお店に戻るとおばちゃんに文句をつけられました。「ミラーが片方曲がっていて、左右同じになっていない」と。

確かに私は転んだから、もしかしたら壊してしまったかもしれない。でも見た目には何も異変はなく、ただ単に私が転んだから(肘をすりむいていたため、事故を起こしたと勝手に判断されました)、こいつから金をとれるぞと思っているのだろうと感じました。

幼そうに見えるからって嘗めんな、

このおばちゃんと格闘するのも話のネタになりそうだ、

今日こっちは何もしない日って決めているからいくらでも相手するぞ、

そんなことを思いながら、おばちゃんと拙い英語で真っ向勝負。

パスポートをデポジットとして取られていたので、帰るわけにもいきません。

 

2時間半の格闘の結果、私は折れました。

それはそれで楽しかったし、いい思い出です。

体調悪くて何もする気が起きなかったからちょうどいい暇つぶしになりました。

 

ドーナツに涙

2時間半もの間口論をした挙句、結局180バーツを支払いました。

ようやくパスポートを返してもらい店を立ち去ろうとすると「これ、食べてく?」とドーナツを差し出されました。

 

うん、意味が分からない。

でも仲直りしたのに断るのもあれだし、この状況なんか面白いし、それよりもうお昼時で小腹もすいてきたし、このドーナツがどんな味なのか知りたいし、とりあえずもらっとこ。みたいなノリでドーナツを一つ受け取りかじりながら歩き始めました。

 

食べながら、なぜか唐突に泣けてきた。

なんでなのか、さっぱりわかりません。

一人旅の寂しさがここに来て爆発したのか、

これだけケンカした相手に優しくされたのが嬉しかったのか、

久しぶりにちゃんと人と関係を持てたのが嬉しかったのか、

どんな意味の涙だったのか全然わかりません。きっとこの先のずっとわからない気がします。

でも、そこで「涙する」という感情を持てる感性があるっていいなと思いました。

 

英語で全部やっている自分に感動

ここまでなんとなくタイで過ごした4日間を記録としてこのしていますが、感動なのが自分はこの地での人とのやり取りを全部英語でしていたという事。

中学英語しか話せず、大学でも英語のクラスは一番下の私ですが、なんとか生きていけてしまうんだなぁという感動を今更ながら実感しています。もともと行く前から「しゃべれないけどなんとかなるさー」というノリで日本を飛び出したのですが、本当になんとかなってしまいました。

この旅で、「もっと英語話せるようになりたい!」という思いと、「別に話せなくても全然生きていけるじゃん」という思い、どちらもあります。

やっぱり話せる人が現地の人や欧米人とスムーズに会話しているところを見ると、「話せた方が海外をストレスなく過ごせるよな」と感じたり。日本人の宿のお兄さんに「英語がスムーズに話せるようになればさ、日本語で日本人と会話を楽しめるように、英語圏の人と会話を楽しめるようになるんだよ。それってすごくない?」と言われて納得したり。

その一方でこれだけ下手でも優しさを感じることができたり、おばちゃんとケンカができたり、それなりに海外のいいところを見つけられるなぁと感じたり。結局現地の人もネイティブじゃないんだからこっち側だけ流暢に話せるようになってもなぁと少し言い訳っぽい考え方をしたり。

 

どちらにせよ英語を話せるに越したことはないです。

でも今すぐに本気で英語をやろうという気があるかと聞かれると、うーん、そうでもないような。

 

欧米人は時間を浪費するのが上手

私が訪れたのはタイの中でもリゾート地として知られるクラビという場所でした。

そこに到着するまではずっとアジア人を目にしてきましたが、クラビでは欧米人からの観光客が8割くらいを占め、アジア人の見かけることがほとんどありませんでした。

ビーチを一人でぶらぶらしていると、本当にみんな肩の力を抜いて過ごしていることがわかります。

 

まさに時間の浪費。

 

日本人とか中国人の観光客を見ていると、こんな時間の使い方はできていないなと思います。休みに来ているはずなのに、何かやらなきゃ、何か買わなきゃ、せっかくここに来たんだから!という焦りのような切迫感のようなものがみられます。(もちろん自分も含めてですが)

彼らにはそういう切迫感がまるでない。ビーチにずーっと寝転んでたり、本読んだり、家族と一緒におしゃべりしたり。古くから「バカンス」という考え方が定着していることが大きく関係しているんだろうなと考えたり。

別にどちらがいいとか悪いとかそういう問題ではなくて、単純に生きてきた「文化」が違うんだろうなぁと感じました。でも願わくば自分もそんな贅沢な時間を過ごせる人になりたいと思いました。おそらく「なりたい」と思っている間は絶対になれない気がしますが。

 

海外一人旅は寂しい、大変、疲れる

昨年の夏、国内を一人で旅して味を占め、海外でもひとりで楽しめるだろうという期待のもと始まった今回の一人旅。

たくさんのやさしさに触れ、おいしいものに出会い、海をぼーっと眺め、自由な時間を手に入れた4日間。本当に心から一人を楽しめたし、ひとりで海外に来たことで得たものはたくさんありました。

 

でもそれ以上に寂しさを感じること、大変なこと、疲れることが多かったのも事実です。

ひとりでベッドの中で腹痛に耐えたり、電話で日本にいる友人の声を聴いているのはすごく寂しかった。一人で街に出て買い物をしたり、食事の注文をしたり、道を尋ねたりするのは大変だった。町を歩くだけで気を張らないと自分の身に何か起こりそうで、アンテナたてながら行動するのは疲れた。

そして、今回のカンボジアで出会った人のインスタを見ていると友達を楽しそうに観光しているのがちょっぴり羨ましかった。

 

次に海外を旅行するなら、友達同士で行ってみようと思います。

それはそれでまた違う海外の楽しみ方ができるんだろうなという期待を込めながら。