あんこの開墾日記

自分自身を耕して、掘り起こして、本当にしあわせな私のありかたを発見したい。そんな想いで書いてます。

ひとと住むということ

 

 

2月2日、入学してから10か月間お世話になった学生宿舎を後にして、柏に移り住みました。この10か月で初めての一人暮らしを経験。その次はなんと姉との二人暮らしがスタートです。

 

【これまで】ひとりで暮らすということ

実家から大学までは片道1時間半。大学の通学時間としては決して長い方ではありません。実際、同じ高校から同じ大学に進学した人の8~9割は自宅から通学(いわゆる宅通)をしています。そのため、もちろん宅通するという選択肢は受験をする前からありました。

しかし私はそれでも一人暮らしをしてみたかったのです。

その理由は、「ちゃんと自分一人で生きていけるのか」を試してみたかったから。

18年間、何不自由なく親の元でぬくぬく暮らしてきました。何もしなくても衣類はいつも着られる状態になってるし、家に帰ればごはんが待ってるし、部活で疲れて帰ってきたら労ってくれる家族がいるし、そんな甘えた生活をこれからもすると考えるとどんどん自分がダメ人間になってしまうのではないかという危機感が常にあり、早く自立した生活をしてみたいと思っていました。そのため一人暮らしに不安がないわけではなかったけれど、どちらかと言えば新生活のスタートをずっと心待ちにしていました。

 

実際に一人暮らしを始めると、確かにやることが多くて手が回らなくなることもしばしば。洗濯は溜まるし、食器も溜まるし、食材は放置するとダメになるし、買い物に行くのは案外時間がかかるし、いつの間にか部屋は汚くなるし…。

いかに自分が今まで家族に甘えて、いろいろな面倒を見てもらっていたかを実感しました。

 

でもその中でも楽しいこともたくさんありました。

一番は自由を感じられること。

何時に帰っても怒られることはないし、多少いろいろ溜めても小言を言う人はいないし、なにしろ自分が作りたいと思った料理を自由に作れる、そんな環境はとってもお気に入りでした。

 

【これから】ふたりで暮らすということ

そんな一人暮らしの楽しさも苦労も味わった上での二人暮らし。

初日にいろいろ姉から「おうちルール」を伝授されました。お風呂あがったら乾燥機つけてねとか、帰る時間はまめに連絡とろうねとか。それを聞きながら、「あぁ、人と住むってこういう事だよなぁ」というのをしみじみ感じていました。

2年くらい別の場所で生活していたら、姉妹ですら随分生活スタイルが変わっていました。生活の中で大切にしているものが違うと言いますか。私はとにかく食事をちゃんと作りたいし、人との付き合いで外で食べることもしばしばあるし、その分掃除とか洗濯とかは後回しになりがち。姉は朝ごはんもあまり食べずに家を飛び出しますが、とにかくまめに掃除をします。あとは暇さえあればトレーニングしている。

 

それぞれの「一人暮らし」をしていた二人が同じ場所で生活を始める。

 

それぞれの生活を、お互いが心地いいように擦り合わせる、みたいな。

 

今まで自分の好き勝手生活していた分、これが自分に合っているのか窮屈に感じてしまうのかはわからないけど、2週間たって今のところ不便を感じていないのでおそらく大丈夫なんだと思います。

当たり前のことだけれども、ふたりで暮らすという事は相手のことも考えてお互いに思いやらないと崩壊してしまう。18年くらい同じ家で生活していたのに、そんなに脆いものなんだと考えると、夫婦で暮らすってどんなに脆いものなんだろうという事を痛感します。

 

 

誰かにごはんを振舞うということ

私の中での二人暮らしの一番の楽しみはこれです。

一人暮らしでも私はずっと自炊をしていたのですが、他の人に自分の料理を食べてもらうという経験は今までほとんどありませんでした。そのため自分の料理には正直全く自信がありません。自分だけが満足している料理なので他の人が食べたらきっとおいしくないと感じるものもたくさん作っているんだろうなという感じです。

 

でも二人暮らしを機に「人に料理を食べてもらう」ということができるようになりました。自分だけで満足する料理を作るのと、人を満足させる料理を作るのとでは全くわけが違うと思うんです。

ふたりで暮らし始めてから毎日姉にお弁当を持たせているのですが、毎日「あれがおいしかったよ」という言葉をもらえて、それが本当に嬉しい。人にごはんを作ってあげるってこんなにも楽しいことなんだ、誰かにおいしいって言ってもらえるってこんなに幸せなことなんだ、なんてことを毎日感じています。

 

つくばに住んでいたということ

ずっと同じ場所に住んでいると、その土地の固有性に気づけないという事ってよくありますよね。私にとって離れてみて初めて気づく「つくば」がたくさんあります。

ー終電がない。

それだから「今から家来る?」みたいなノリが11時とかに勃発したりする。でも柏に引っ越してしまった私はそれがもうできない。それを少し寂しく感じてしまうこともしばしば。

ーほとんど学生しかいない。

今の家の電車のホームに降り立つと本当にたくさんの立場の人がいます。サラリーマン、高校生、おじいちゃん、幼稚園生とその母親。つくばではほとんど学生にしか出会いません。なんとなく自分って世界の中のごくごく一部しか見ていないんだなということをふと考えたりしました。

ー移動時間が極端に少ない。

つくばにいると大抵の場所は自転車で10分で着きます。その生活に慣れすぎて、電車に乗る感覚を忘れてしまいました。電車の所要時間というものを前は体感的に理解していたのですが、今はその感覚がほとんどなくなってしまって、毎日困っています。

 

おわりに

二人暮らしは嬉しいことも嫌なこともどちらもあります。

それでもやっぱり、家に帰って電気がついていて「ただいま」という相手がいて、「おかえり」という声が返ってくるのはいいな、と感じています。そんな小さなしあわせがあるというだけで、こころがちょっぴりほっこりします。